標準時について UTC, JST, TAI, GMT

大切な略称

UTC TAI JST GMT の関係

現在世界標準として使用されている標準時は UTC : Coordinated Universal Time (協定世界時) です. JST (日本標準時) は UTC + 9 時間となっています. そして UTC は TAI (国際原子時) をベースとしており, それに適時閏秒 (leap second) を加えたものです. TAI には閏秒はありません. GMT (グリニッジ標準時) はその世界標準時としての役割を すでに UTC によってとって代わられており, また従来の意味における GMT は UT (更に細かく UT0, UT1, UT2 と別れる) として引き継がれるに及んで, 学術的には消滅してしまいました. にもかかわらず広く一般的に流布した言葉であるため 本来 UTC とすべきところに使用されることが多々あります.

TAIとUTC

TAI : Temps Atomique International は, BIPM : Bureau International des Poids et Mesures (国際度量衝局) によって管理されており, 30 カ国以上にある 200 以上の原子時計を用いて決められています. BIPM は Convention du Mètre (メートル条約) によって設立された 機関で SI (国際単位系) を管理しているのもここです. 本部はパリにあります. さて原子時計は 1 秒(SIで物理的事象を用いて定義されている)を 常に変らず精密に刻むのに対して, 地球の自転はその回転スピードを徐々に落しています. (現在のところ 1 年に 1 秒くらいのペースで) したがってこれを放置すると次第に誤差が蓄積して最終的には昼夜が逆転 してしまうようなことも起こりかねません. そこで UTC では IERS : International Earth Rotation Service の天文観測によって得られる時刻との差が± 0.9 秒に収ま るように閏秒を加えるか取り除くかして補正しています. このような補正の蓄積結果として TAI と UTC は 2002 年の 1 月現在で 32 秒の差があります.

JST

JST (日本標準時) は 独立行政法人通信総合研究所 から供給されており, そのために用意されている約 10 台の原子時計と世界各国の原子時計との 時刻比較測定は BIPM に送られ,TAI の決定にも活用されています. 通信総合研究所は電波時計の時刻合わせに使用される標準電波を 送信するサービスも行っています.

UTCのおかしな語順

私達の日常生活は UTC 系列の標準時を基準に回っているわけですが, UTC って英語の頭文字の順番とちがうとお気づきでしょうか. 英語の語順だと CUT (Coordinated Universal Time) です. 標準関係で強いフランス語の語順だと TUC (Temps Universel Coordonné) です. これは,協定世界時の略称は混乱を避けるためにひとつにしようと 決まったけれど,フランス語派と英語派が譲らず, 結局どっちでもない UTC に収まったという話だそうです.

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この文書は川崎直之によって作成されました. 2002 11/15 札幌.
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