キャラクターアニメーション作成支援のための人物動作推定システム

概要

 近年、個人が所有するパーソナルコンピュータの性能向上や、ニコニコ動画、Youtubeといった作品公開の場の充実により、様々なキャラクタアニメーションの作成、公開が流行しています。

しかし、キャラクタアニメーション作成において、魅力的なモーションを作成することは非常に困難であり、これがモチベーションの低下を引き起こし、ひいては潜在的クリエイターの減少につながると考えられます。

 そこで、ビデオカメラで撮影した映像から、魅力的なモーションを作成できれば、キャラクタアニメーションの作成支援になるのではないかと考えました。 よって、本研究は、単眼ビデオカメラ1台で撮影された映像を入力とし、抑揚・キレを強調した魅力的なモーションを出力するシステムを構築することを目的とします。

システムの概要

 まずユーザは、一般的なDVカメラで撮影した映像を用意し、システムに入力します。次に、ユーザは、人物の関節の位置に、特徴点を17点指定します。 以上の入力を終えると、システムは各特徴点をトラッキングし、座標を推定します。 映像の全フレームについて座標の推定を終えると、システムは、両腕両脚の特徴点列を動作ブロック群に変換します。 動作ブロックとは、時系列に沿って続いている動作をある基準で分割し、それぞれを制御点で表現するものと、本研究では定義します。 この制御点間を補完するスプライン曲線が、動作の軌跡となります。 なお、制御点は、一定の間隔で特徴点をサンプリングし、設定します。 1つの動作ブロックについて、動作の始点をt=0、終点をt=1としたとき、t=aのときの座標値は、スプライン関数Pに引数としてt=aを与えることで求めることができます。 動作ブロック群への変換が終わると、ユーザは任意の動作ブロックに動作強調を施します。 動作の強調は、抑揚関数を、動作ブロックのスプライン関数に適用することで、 動作の初速を強調、最初はゆっくりでじょじょに加速するといった効果を与えます。 最後に、システムは特徴点列からモーションデータを計算し、出力します。

図:システム概要

動作ムービー