画像認識において、遮蔽物により認識対象の一部分が隠されてしまう事態はよく発生しうることであり、そのような状態での認識精度は低くなってしまうことが多いです。つまり、物体同士の重なり合い(オクルージョン)により認識対象の部分的な情報しか得られない状態での高精度な認識、あるいは推定が可能な方法を開発することはこの分野の重要な課題であると言えます。
そこで、本研究ではオクルージョンが頻繁に発生しうるカードゲーム、中でも札同士が独立の絵柄を持つ「花札」に焦点を当て、SIFT特徴点を利用した花札認識手法の開発を行いました。
本手法は、撮影画像内にある各札の領域を切り出し、その領域から抽出されたSIFT特徴点と花札の各札が持つ札情報から札の認識を行います。また、札全体を一度に認識するのではなく、いくつかの領域に分けたあと、その領域ごとの認識結果から札の有無を判定する手法としました。