本システムはモノトーンでシンプルな情報である影を投影し、ユーザに効率的に実在感を与えることを目的としました。そのためにプロジェクタで仮想の影を投影し、その影も仮想の光源によって変形させ本物の影のような実在感を演出します。また、仮想の影には元となった実体があるものとしてユーザは仮想の影と対話的動作を行えるようにします。
そのため本システムではプロジェクタを用いて机上に仮想の影を投影し、ユーザはスマートフォンを手に持ち、仮想の光源の向きと位置を操作します。ライトに見立てたスマートフォンの位置や角度に応じて仮想の影は変形させます。ライトの操作に必要な位置情報と角度情報はKinectの位置センサ、スマートフォンのジャイロセンサで取得します。
本研究では仮想の影をより本物に近づけるために、動的な影と静的な影の二種類用意します。動的な影は自律して動作する人型のキャラクタを想定します。この動的な影は基本的な動作の他にユーザと対話的動作を行い、実在感を演出します。静的な影は樹木や岩のようなものを想定します。動的な影と静的な影を組み合わせることによってさらに実在感を増幅させることを目的とします。