拡張現実によるインタラクティブな仮想水面の生成

概要

 本研究ではARで可視化される仮想物体として流体に着目し、仮想世界で生成した水面を現実世界に重畳表示するARアプリケーションを開発しました。 現実世界のユーザの動作に応じて仮想水面に波や水しぶきが発生し、ユーザの目の前に実際の水が存在しているような感覚を与える機能を実装しています。


ユーザはパドル(先端に魚型ARマーカを付随した棒)を操作し、パドルで仮想水面をかき混ぜるなど仮想水面への物理的な接触に応じて、仮想水面における波動伝搬の振る舞いを擬似的にシミュレートして波動のアニメーションを実時間描画します。 プール(仮想水が満たされる実物体容器)底の水面用ARマーカとパドルに付随した魚型ARマーカを2つ同時にカメラで認識することで、パドルと仮想水面との接触点を検知してユーザから仮想水面への干渉を実現しました。 パドルの多様な移動動作に伴う波紋・航跡波の形成や、プール境界での反射波の描画の他、パドルによる水しぶきのエフェクトも可能であり、ユーザが感じる視覚的な水の実在感を向上させています。


図:システム概要

動作ムービー

図:パドル(魚型マーカ)

図:プール(水面用マーカ)


 本研究の魚型マーカのデザインに株式会社ポケモンのキャラクター「コイキング」を用いてます。本ページに株式会社ポケモンが有する著作物 を用いた映像を掲載する旨を前もって株式会社ポケモンに報告しています。